猫カフェとは、カフェ、またはカフェに併設されたラウンジで、そこで暮らす猫たちと料金を払って過ごせる場所のことです。北米、イギリス、オーストラリアでは、猫の多くは譲渡を待つ保護猫で、入場料が猫たちの世話の費用にあてられます。一方、日本や東アジアの多くの地域では、店で一生を過ごす看板猫のことが多く、なかには純血種もいます。いずれにしても、主役は猫です。コーヒーはおまけのようなものです。
現在、当サイトの地図には90か国ほどにある3,600軒以上の猫カフェが掲載されています。このガイドでは、利用の流れ、料金、猫カフェの主な種類、守るべきルール、譲渡、そして猫を大切にしている店かどうかの見分け方を紹介します。以下の割合は、各店の公式サイトの情報をもとに猫カフェの統計のために集計したものです。
猫カフェの始まり
日本初の猫カフェ、大阪の猫の時間
世界初の猫カフェは1998年に台北で開業し、今もMRT芝山駅の向かいで営業を続けています。このアイデアを国民的な楽しみにまで広めたのが日本で、2004年に大阪で開業した猫の時間がその始まりです。日本は今も、世界でいちばん猫カフェの多い国です。ヨーロッパ初の猫カフェは2012年にウィーンで開業し、2014年には北米とオーストラリアにも広まりました。これらの地域では、猫カフェが保護施設と連携して猫の新しい飼い主を探すようになりました。詳しくは猫カフェの歴史をご覧ください。
利用の流れ
ほとんどの猫カフェでは、猫と過ごす時間に対して料金がかかります。料金の仕組みを公式サイトで説明している店のうち、88%が入場料または時間制の料金、7%が代わりに飲食物の注文を求める方式で、5%は無料です。1回の利用時間はたいてい30分から1時間で、より長く過ごせるパスを用意している店も多くあります。
予約制の店も少なくありません。予約について方針を示している店のうち、48%が予約を推奨、24%が予約必須で、28%は予約なしでの来店を歓迎しています。人気店は週末に満席になるので、できれば予約しておきましょう。
入口では手を洗うか消毒をします。日本、韓国、台湾では靴を脱ぐのが一般的です。スタッフから店内ルールの説明を受けたら、あとは自由に座って、猫と遊んだり眺めたりできます。猫のいる部屋と厨房を分けている店も多くあります。アメリカでは、FDA(米国食品医薬品局)のモデル食品規則に基づく各州の食品衛生規則により、食品を調理・提供する場所に動物を入れることができません。そのため猫はカフェのカウンターの隣にある、壁で仕切られた猫用のラウンジで暮らしています。アメリカの猫カフェの多くが「キャットラウンジ」と名乗っているのはこのためです。
メニューはシンプルな店がほとんどです。飲食メニューを紹介している店のうち、71%はドリンクと軽食のみで、本格的な食事を出す店は26%です。
料金の目安
料金はおもに国によって異なります。
- アメリカ: 30分から1時間でおおむね10〜25ドル。ニューヨークのBrooklyn Cat Cafeは30分15ドルで、Denver Cat Companyでは、混雑していなければ定額料金で時間制限なく過ごせます。ニューヨーク、シカゴ、デンバー、オースティン、オーランド、カリフォルニアの各ガイドでは、店ごとの料金を紹介しています。
- イギリス: 1人あたり約5〜18ポンド。ロンドンには55分16.99ポンドからという店がいくつかあります。イギリスのガイドとロンドンのガイドもご覧ください。
- 日本: 保護猫カフェでは1時間あたり約1,000〜2,000円。チェーン店は最初の30分が1,000〜1,500円で、以降は10分ごとの延長料金となり、ドリンク代が含まれていることがほとんどです。日本のガイドと東京のガイドもご覧ください。
譲渡型の猫カフェで気に入った猫に出会った場合、譲渡費用は提携している保護団体が決めます。アメリカでは100〜200ドルが一般的です。
猫カフェの種類
Courtesy of Kalen Jesse Photography Co. via denvercatco.com
譲渡型カフェは、動物保護施設や保護団体と連携しています。猫は譲渡の対象で、獣医療費の負担や里親の審査は通常保護団体が担い、カフェは猫のいるラウンジとコーヒーバーを運営します。北米、イギリス、オーストラリアではこの形が一般的で、当サイトの地図に掲載されている猫カフェの少なくとも43%が猫の譲渡を行っています。なかには何千匹もの猫を新しい家族に送り出した店もあります。ルイビルのPurrfect Day CaféはKentucky Humane Societyと提携しており、2024年に譲渡数が1万匹を超えました。オークランドのCat Townのように、カフェ自体が保護団体で、市の保護施設で最も引き取り手が見つかりにくい猫を受け入れている店もあります。
看板猫カフェでは、同じ猫たちが一生を店で過ごします。台北と大阪で始まった元祖の形で、アジアやヨーロッパの多くの地域では今もこれが主流です。フィンランド初の猫カフェであるタンペレのKissakahvila Purnauskisには10匹以上の看板猫がいて、その多くはフィンランドの雑種の猫です。
純血種・ブリーダー系カフェは、マンチカン、ラグドール、メインクーン、スフィンクスといった純血種の猫が中心です。MOCHAやMOFFなど日本の大手チェーンは若い純血種の猫をそろえており、ブリーダーが運営するカフェのなかには店内で子猫を販売しているところもあります。珍しい品種に会える猫カフェのガイドでは、よく知られた店を紹介しています。
ソウルのCats’ Playgroundにいるスフィンクスたち
保護施設のカフェ・ふれあいルームは保護施設が自ら運営するもので、料金ではなく寄付制のことも多く、家族を待つ猫が何十匹もいます。日本の保護猫カフェはそれだけで一大ジャンルになっており、名古屋の2階建てバスを改装したカフェから、広島近郊のシニア猫のためのカフェまでさまざまです。
動物カフェは日本に多く、猫のほかにカピバラ、フクロウ、ハリネズミなどの動物がいます。動物福祉の研究者からは、その多く、特に野生種を扱う店について懸念の声が上がっているため、日本のガイドでは慎重に選ぶよう勧めています。
猫カフェのマナー
ルールはほぼどこでも共通で、どれも猫のためのものです。
- まずは手を清潔に。 入室前に手を洗うか消毒し、求められたら靴を脱ぎましょう。
- 猫が来てくれるのを待つ。 座って手を差し出してにおいをかがせ、やさしくなでましょう。離れていった猫を追いかけるのはやめましょう。
- 猫を抱き上げない。 スタッフが抱っこ好きだと言った猫は別です。
- 寝ている猫は起こさない。 猫は1日の大半を寝て過ごすので、ラウンジが静かなのは普通のことです。
- フラッシュ撮影は禁止。 声も控えめにしましょう。
- おやつは店で販売しているものだけ。 あげるのもスタッフの許可があるときだけにしましょう。
- 自分のペットは連れてこない。 子ども連れの場合は年齢制限を確認しましょう。年齢について方針を示している店のうち、47%が最低年齢を設けています。
東京のMOCHA ラウンジ新宿店
猫カフェは猫にとって幸せ?
きちんと運営されている猫カフェは猫にとって良い住まいになりえますし、譲渡型カフェなら猫を保護施設のケージから出して、里親になるかもしれない人と出会わせることができます。ただし店によって差があり、猫が快適に過ごせるかどうかは店の環境しだいです。良い店の目安は次のとおりです。
- 猫がいつでもお客さんから離れられるよう、高い棚や隠れ場所、スタッフ専用の部屋がある。
- 一度に入室できる人数を制限し、スタッフがルールをきちんと守らせている。
- 猫が健康でリラックスしており、新しく来た猫はほかの猫と合わせる前に別の場所で過ごさせている。
- 子猫や人混みが苦手な猫を展示していない。
世界でいちばん猫カフェの多い日本では、猫カフェは動物取扱業として規制されています。猫をお客さんに見せられるのは22時までで、休憩スペースに自由に移動できる成猫に限られます。2021年からは国の基準により、スタッフ1人あたりの猫の頭数の上限や、部屋の最低面積も定められています。2026年9月には、環境省が動物カフェを対象とした初の全国調査を始めました。日本以外では基準は店しだいなので、行く前に最近の口コミを確認しておきましょう。
猫カフェで猫を譲り受けることはできる?
譲渡型の猫カフェなら可能です。カフェが提携する保護団体に申込書を提出し、譲渡費用を支払います。身分証明書や、賃貸住宅の場合は大家さんの許可を求められることがあり、自宅訪問がある場合もあります。当日に猫を連れて帰れる団体もあれば、相性を確かめるために数日かける団体もあります。譲渡はほぼ例外なく地元に住む人に限られるため、旅行者は猫に会いに行って利用料金で支援することはできても、猫を連れて帰ることはできません。
猫カフェの探し方
当サイトに掲載しているすべての猫カフェは、世界地図や国・都市別の一覧から探せます。営業時間や予約の方法、猫の譲渡を行っているかどうかも確認できます。旅行の計画中なら、東京、ロンドン、ニューヨーク、バルセロナ、メキシコなどの都市ガイドで、各地の猫カフェを比較できます。自分で猫カフェを開きたい方は、まず猫カフェの開き方のガイドをご覧ください。



